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私は長年にわたりオーディオ関係の研究開発と製品造りに携わってきました。
その間オーディオ技術はアナログからデジタルへと大きく進化し
iPod 等のモバイルオーディオが爆発的に増えました。
音楽ソースもCDの購入からインターネットを通じて1曲ごと、安価に、簡単に
購入できるようになり多くの音楽を楽しむ人にとっては最高の環境になりました。
車や電車で移動中にも気軽に音楽を聴ける良い環境になったと思いますが
無理に低音を出そうとするのでインナータイプのヘッドフォンで長時間音楽
を聴くと難聴気味になり耳を痛めることがあります。
無理に低域を再生するのは危険です。
自宅のスペースに余裕がありましたら是非スピーカーで音楽を鑑賞することをお勧めします。
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中道仁郎の軌跡
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1973年
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中価格帯のオープンリールテープレコーダが米国マーケットで 小売価格$800で販売されていた当時
世界初の独立3ヘッド技術を使用し「Nakamichi 1000」を$1,000で発売したのです。
当時は何処の会社でも採用しなかった Dolby-Bタイプ ノイズリダクションも世界に先駆けて採用しました。
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1976年
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音楽の記録メディアはオープンリールテープからカセットテープに一気に移行しました。
これは私がオーディオ業界のトレンドを大きく変えた最初の一歩でした。
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1979年
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カセットデッキのメカニズムを全てモータで制御し、作動音を無音化したメカニズムを発明しました。
それまではソレノイドプランジャーでガチャンガチャンと大きな音を立てて動作するメカニズムでした。
商品化後、各社から発売される商品は全てモーターでコントロールされた
極めて動作音の静かなメカニズムになりました。
これがオーティオ業界でトレンドを大きく変えた2回目の出来事です。
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1996年
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カーオーディオ用インダッシュCD チェンジャーを発明しました。
それまではトランクルームにCD チェンジャー(ボディが大きかったため)が搭載されていたため
CDの交換は不便でした。
最初のうちはCDの交換をしますが、時間が経つにつれCDの交換も面倒になり
そのままになって使われなくなります。
私は車のダッシュボードに付いているラジオと同じ大きさ(高さ約5cm)で6枚のCDを収納できる
インダッシュ CD チェンジャーを発明しました。
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1997年
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1月に米国ラスベガスで開催されるCES(Consumer Electronics Show)で
カーオーディオ用インダッシュCD チェンジャーを公式発表し、その反響の大きさに驚きました。
同年商品を発売し、世の中のCDチェンジャーはトランクマウントから
一挙にダッシュボードマウントに変わりました。
当時インダッシュ CD チェンジャーで120件近い特許を申請していたので
私の特許に抵触せずに商品化することは至難の業だと思います。
これがオーディオ業界でトレンドを大きく変えた3回目の出来事です。
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1998年
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8月、Nakamichiを退社し新会社を設立しました。
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2003年
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前方1本のスピーカーとサブウーファーだけで5.1チャンネルサラウンド
を再生するホームシアターシステムを開発しました。
当時の主流は視聴者の周囲に5本のスピーカーを立てる方式で、世界のオーディオ評論家から
中道仁郎氏は玩具みたいな装置を作ったと云われ酷評されました。
それから7年経過した今、前方一カ所のスピーカーで5.1ch のサラウンドを再生する装置が主となり
店頭でもホームシアターの主流となりました。
5本のスピーカーを視聴者の周囲に配置する方式はごく一部の商品だけとなりました。
これがオーディオ業界でトレンドを大きく変えた4回目の出来事です。
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© Niro Nakamichi Corp. 2015